三菱製紙 統合報告書2023
30/78

百万円(前期比17.5%増)百万円(前期比  ー  )取締役 常務執行役員紙素材事業部長高上 裕二30166,5343,0952023年3月期の振り返り紙素材事業の課題と展望、キーワードは「脱プラ・減プラ」 環境に配慮するため世界中で「脱プラ」「減プラ」の動きが加速しています。紙素材は脱プラ・減プラでの代替素材として大きな可能性があります。先ずは包装紙分野で、バリアコート紙やクラフト紙などを開発部門と一体で伸長させて今後の紙素材事業の橋頭保としてまいります。品質と環境に配慮した製品で優位性を訴求競争力においては中国や韓国の企業には苦戦を強いられますが、品質の高さと商品開発力で優位性を訴求していきたいと考えます。今期から当社の総合販売子会社である三菱王子紙販売に海外セクションを創設しました。当社の海外事業統括部と密接に連携して海外マーケットの分析を行いながら拡販を進めてまいります。 急激な原燃料価格高騰を受けた2023年3月期を振り返りますと、国内市場は、需要減少が続く印刷用紙を中心に販売数量は減少したものの、価格改定効果もあり販売金額は増加しました。輸出は販売数量、金額ともに一定程度回復しました。 市販パルプは、原燃料高によるコスト増に対応し国内製品価格の修正を実施、輸出は円安効果もあり、販売数量、金額ともに増加しました。 ドイツ事業は、販売数量は前年を下回りましたが、天然ガス・パルプ価格を中心とする原燃料価格の高騰を受け販売価格改定を実施した結果、販売金額は増加しました。 この結果、紙素材事業全体としては、原燃料価格高騰の影響が大きかったものの、価格改定により、増収増益となりました。今期は、価格改定効果の維持、生産体制最適化と在庫水準適正化を継続して進めてまいります。素材としての「紙」の可能性を追求し幅広い用途の開拓を推進しますセグメント別事業戦略売上高営業損失 紙素材事業部はその名称の通り、紙をひとつの素材として考え、色々な分野に用途を拡大していく部門です。キーワードは全世界的な流れである脱プラスチックだと考えています。2021年に開発した軟包装用コート紙「バリコート®」は、今はまだ商品のイメージアップを図る包装紙として大手菓子メーカー様や大手カフェチェーン様などに使用され広がり始めたところですが、今後は汎用品として様々な分野で使用していただけるようにしたいと考えています。ほかにも晒クラフト紙ではナチュラルカラーを好む海外市場に向けて、漂白を行わない「未みざらし晒」を新たなラインアップとして拡販していく予定です。国内では需要が減少傾向にある印刷用紙も、経済成長盛んなインドや東南アジア諸国は需要が増えており有望な市場です。当社のヒット商品であるニューVマットも、海外の富裕層向けの印刷物用途として拡販しています。価格紙素材事業

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る