三菱製紙 統合報告書2023
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取締役 常務執行役員研究開発本部長中川 邦弘研究開発本部副本部長研究開発企画部長相澤 和佳奈32研究開発企画部を京都に新設機能商品事業にリソースを投入品質への高い要求を満たしつつ新規事業のシーズを見つける相澤 研究開発部門が中期経営計画の達成に貢献するためには、「品質」と「開発スピード」に対するお客さまからの高い要求を満たした製品を開発することが何よりも重要です。構造改革で強化した組織体制で年々厳しくなる市場変化に対応していきます。中川 必要であれば他社とアライアンスを組むといった柔軟な対応も進めていきます。相澤 もうひとつ大事なこととして、私たちには「新規事業の拡大」に向けて次のシーズを見つけるというミッションがあります。ドライフィルムレジストもバッテリーセパレータも水処理膜基材も開発に着手したのは10年以上前です。製品が認知され、安定した収益を生むまでには多くの時間を要します。研究開発本部としては次の10年を睨んだ開発を手掛け、新しい三菱製紙グループを支える製品を立ち上げていかねばなりません。中川 そういった意味でも、研究開発部門と生産部門が二人三脚で取り組むことはとても重要です。研究開発部門が敷地内にある京都・高砂・八戸の3工場はもちろん、北上・KJ特殊紙・ドイツとも日々情報交換を行い、市場の需要を敏感に捉えた研究開発を推進していきます。パワーアップした研究開発部門にご期待ください。事業拡大に向けて機能商品事業と紙素材事業の次の10年を支える製品を開発しますセグメント別事業戦略対談インタビュー中川 研究開発本部では、2023年4月に研究開発企画部を立ち上げました。これは機能商品および紙素材の両事業部を、研究開発企画、市場情報収集、人財育成、技術共有、進捗管理などからサポートし、全社的な視点から研究開発を推進する部門です。機能商品事業の京都R&Dセンターおよび高砂R&Dセンター、そして、紙素材事業で八戸開発室を持つ商品開発部と研究開発企画部とが連携して効率的な製品開発を進めます。 相澤 今期は中期経営計画に則り、機能商品事 業に開発リソースを集中的に投下します。その中でもニッチな分野で存在感を高めているドライフィルムレジスト、EVやIT領域で需要が高まるバッテリーセパレータに注力します。また中国、欧米、中東など幅広いエリアにビジネスチャンスが在る水処理膜基材の開発も継続します。さらに環境配慮型製品として、再湿糊型ライナーレス感熱ラベル「Water Thermal」を開発中です。中川 一方の紙素材事業では、「グリーン社会への貢献」のために、脱プラ・減プラのワールドワイドな流れに寄与する包装用コート紙をドイツの子会社と連携して開発しています。また、パルプ素材の新規用途探索にも着手しました。これらの研究開発アイテムはほんの一部分です。研究開発

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