三菱製紙 統合報告書2023
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33 「TRF-IR830」は、印刷版の原稿を作製するために使用される製版フィルムです。レーザー描画による感熱反応によって高濃度の画像を形成するため、銀塩フィルムと異なり、薬品を一切用いることなく画像形成が可能です。 また、従来のドライタイプ製版フィルムの課題であった、カーボンの粉塵による製版トラブルや作業者の健康への影響を排除した、環境負荷を大幅に低減した環境配慮型商品です。この様なグリーン社会実現に貢献できる商品を開発しています。 炭素繊維は、樹脂との複合化材料として、飛行機・風力発電・自動車等の分野での需要が拡大している一方、製造時のCO2排出量が多く、またリサイクルが難しいことから、ライフサイクル全体の環境負荷が高いことが問題視されています。 上記問題解決を目的に当社では、これまで培った不織布抄紙技術を活かし、リサイクル炭素繊維不織布をC/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材料)として使用する技術・実用化検討を行っています。 DX化の加速、大容量・高速通信技術の導入により、電子回路業界は世界的な活況を呈しており、回路基板の高密度・高集積化への要望が高まっています。この要望に応える技術として、当社独自のソルダーレジスト薄膜化処理システムをお客さまに提案しています。この処理システムでは、段差があるソルダーレジスト層を形成することができ、お客さまの要望する基板形状を安定的に実現することができます。※ソルダーレジスト:プリント基板表面を覆い回路パターンを保護する絶縁膜 2020年に研究開発本部を発足させ、全事業分野における新製品開発、技術支援、人財最適化を機動的に行い、経営戦略に沿った研究開発テーマの策定や研究リソース配分の適正化を行ってきました。 また、生産場所である工場の敷地内に開発部隊を置くことで、関連製品の研究開発と技術支援をスムーズに行い、開発を加速し、各事業分野の収益に確実に貢献できる体制を整えました。未来志向の研究開発テーマに取り組み、会社の収益を支える力強い研究開発体制の構築を目指しています。サーマルレーザー製版フィルム炭素繊維不織布ソルダーレジスト薄膜化処理システム銅パッドソルダーレジスト開 発企 画本 部支 援サーマルレーザー製版フィルム リサイクル炭素繊維不織布ソルダーレジスト※薄膜化処理システム研究開発 構造改革

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