インクジェット用紙の基礎知識FAQ

インクジェット一般

インクジェットについての基本的なFAQです。

Q1:インクジェット用紙とは何ですか?

インクジェット用紙はインクジェットプリンター用の記録用紙です。市販されているインクジェット用紙は普通紙タイプ、コート紙タイプ、写真用紙タイプがあります。コート紙である理由はインクを吸収する必要があり、ベースの紙の上にインク吸収層を設けています。インク吸収層は単にインクを吸収するだけでなく、インクの吸収速度、インクの定着度合い、また発色が良くなるように工夫されています。写真画質を印字する用紙では微粒子の多層構造から成り、高度な技術を要するインク吸収層を塗布しています。

Q2:インクジェットプリントは、何が優れているの?

インクジェットプリンターの美点は、市販されている様々なプリンターの中で、最も安価で且つ高画質な印字物が得られる点にあります。PCとプリンターを接続するだけで、簡単にPOPなどを自作できることも人気です。
一般向けのA4サイズのプリンターなどは1万円を割る価格から発売されています。スキャナー機能を付き複合機が売れ行きの主流となっています。上位機種のプリンターで印字すると、「まるで写真!」といえる品質が得られます。
業務用の大判インクジェットプリンターも年々画質が向上し、一般向けA4サイズプリンター以上の画質となっています。また価格も低下し、SOHOでも保有するところが増加しています。

Q3:インクジェット用紙には純正紙と汎用紙がありますが、どちらがいいのでしょうか?

純正紙は、プリンターと最もマッチングが良いように用紙開発されています。従って、画質、色再現や保存性が最も優れた組み合わせです。しかし、汎用紙と比較すると価格は高値かも知れません。
量販店などで取り扱っている汎用紙は、特定のプリンターに合わせて用紙開発されておりません。どのメーカーのプリンターでも「そつなくこなす」タイプの用紙で、品質が悪いということはありません。ただし、製造元あるいは販売元が不明な用紙では、希に粗悪品である可能性はあります。
純正紙がよいか汎用紙がよいかは、お客様自身で必要とするプリント品質とコストで判断頂くしかありません。

Q4:市販されているものには、どのような種類のインクジェット用紙がありますか?

市販されているインクジェット用紙は、大きく2つに大別されます。普通紙タイプとコート紙タイプです。
普通紙タイプは、一見PPC用紙と似ていますが、紙のサイズ剤やインク定着剤の包含などを工夫をしています。モノクロ中心の画像を印字するのであれば普通紙タイプで十分です。
コート紙タイプは、表面性に違いによって光沢、半光沢およびマットの3種類あります。インクの吸収をコート層で実施し、高精細、高画質な印字品質が得られる用紙です。

Q5:インクジェットプリンターインクには染料インクと顔料インクがありますが、何が違うのですか?

色材が染料インクでは液体であり、顔料インクでは固体です。印字特性を比較すると、染料インクは発色がよい、階調再現がきれいなど特徴を有します。一方顔料インクは保存性がよい、耐水性がよいなど特徴を有します。
最近のインクの改良は、染料インクの保存性向上と顔料インクの印字品質向上が中心です。現在は保存性向上の観点から顔料インクが注目され、顔料インク搭載機が主流になってきています。

Q6:フォト用紙、フォトペーパー、写真用紙などは、どのような紙ですか?

いわゆる写真用印画紙をベースにしたインクジェット用紙です。印字品質だけでなく紙質も銀塩写真同等といったところでしょうか。インクジェット用紙の中では最高ランクに分類される用紙です。

Q7:インクジェット用紙は、インクジェトプリンター以外のプリンターで使用できますか?

インクジェット用紙はインクジェットプリンター専用紙です。他の方式のプリンターに使用しますと、プリンターに害を及ぼす可能性があります。他の方式のプリンターに使用することはお薦めできません。

Q8:インクジェットプルーフとはなんですか?

印刷業界ではCTPシステムが普及に伴い、デジタルデータで製版プロセス全体が完了するようになってきています。従って、デジタルデータ段階の途中で、クライアントが求めるデザインレイアウトや配色確認、最終の印刷仕上がりをシミュレーションする作業が必要となってきています。印刷業界各社では「プルファー」なる呼称で、校正システムを提案しています。インクジェットプリンターを用いて印刷仕上がりをシミュレーションすることが「インクジェットプルーフ」です。インクジェットは初期システム導入コストが安く、他システムに比べて有利です。また紙質も印刷本紙に近い風合いにプルーフ用紙を販売しています。
インクジェットプルーフはプリンターだけでは精度はよくなりません。最終印刷物の色再現を的確に表現することが重要事項であり、そのためのカラーマネジメントソフトなど必要となります。三菱製紙では、いち早くインクジェットプルーフ専用紙を開発、またカラーマネジメント用ツールも販売しています。

Q9:印字すると紙が、コックリング(波打ち現象)するのですが。

紙ベースのインクジェット用紙では、吐出するインク量が多いとコックリングしてしまいます。紙そのものの特性であり、完全に防止することは困難です。三菱製紙では独自の貼り合わせ技術によって、紙にポリエチレンを貼り合わせコックリングを防止した"HAタイプ"があります。

Q10:印字した画像に横筋が見える、あるいは滲んだ様に見えるのですが。

プリンターの用紙設定あるいは印字モードをご確認下さい。高品位な画像を得るためには、適性な印字モードで印字するようにして下さい。
スジはヘッドの汚れや目詰まりである可能性が大きく、またプリンターの機能では印字速度が速いモードで発生し易い傾向にあります。さらに、双方向印字モードを選択する場合も発生し易い傾向にあります。
滲みに関してはインクの吐出と考えられます。用紙の吸収能力以上にインクを吐出すると、色材が十分に定着せず滲みます。用紙選択モードの最近の傾向として、一概に云えませんが、OHPシート≦フィルム<フォト用紙<コート紙(光沢、マット)の順番でインク吐出量が多くなるようです。

Q11:詰め替えインクを使用することは良くないのでしょうか?

日本国内でも詰め替えインクが販売されています。最近では、プリンターメーカ自身ーで販売するところもあります。純正インクより安価であるため、コスト削減効果が期待できます。
ただし詰め替えインクを使用する問題は、品質とプリンターメーカの保証です。インクジェットプリンターのヘッドは精密機械ですので、詰め替えインクがプリンターヘッドに悪影響しないか十分確認することをお薦めします。また、メーカーによっては、詰め替えインクを使用した場合にメーカ保証が受けられないことがあります。お客様がお使いのプリンターメーカーに確認することをお薦めします。希に粗悪品もありますので、使用には注意が必要です。

Q12:エコソルインク、ライトソルベントインクとは、どんなインクですか?

これらのインクは溶剤インクの一種で、低臭気性で人体や環境に配慮した有機溶剤に色材を分散している溶剤インクです。
労働安全衛生法が定める有機溶剤に該当しない、有機溶剤中毒予防則に定める第1種および第2種有機溶剤に該当しない、あるいは消防法に定める設置環境の屋内作業場において局所排気装置の義務付対象外となる有機溶剤を使用することを特徴としています。
業務用大判インクジェットプリンターの屋内外サイン向け機種に搭載されています。メディアは塩ビ、ターポリン、クロスなどです。ラミネート無しで屋外に使え、耐候性は3年あたりです。

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