インクジェット用紙の基礎知識用紙の種類

インクジェット専用紙、コート紙や光沢紙などについての解説です。

インクジェット記録

インクジェット記録方式の最も一般的なメディアは紙です。紙は最も簡単には"天然セルロースを水の存在下で薄葉状に形成したもの"と定義されます。記録媒体としての紙に要求される性質は、力学特性(レオロジー的性質)、印刷適性(インク転移、インク受理性、浸透性など)、寸法安定性等です。これらの性質は紙の基本構造を抜きにしては考えられません。紙の構造は、パルプの種類ばかりでなく、紙の製造工程などにも依存します。

インクジェットインクは紙に浸透することによって定着します。プリンタヘッドより吐出されるインク液滴量は、最近では1ピコリットル(1ピコリットル=1兆分の1リットル)、液滴の直径は100マイクロ以下、最近では数十マイクロ以下です。インク滴は紙面上では倍以上に広がると考えられます。インク液滴が広がる現象は、紙の空隙部分にインク液が吸収され浸透していくためで、また同時に滲みが発生します。高画質な画像記録を期待する場合、インク液滴は小さい方が好ましいことは言うまでもありません。高画質な画像を得るためには、滲みの少ない紙を使用することが肝要です。

高画質な画像を得るために、専用のコーティングが施されたインクジェット専用紙が用いられます。コーティング材料としては、多孔質シリカが一般的によく用いられます。インクジェットインクはシリカの細孔に浸透しながら定着します。多孔質シリカの空隙部分は紙の繊維によって形成される空隙部分よりも狭く、インク吸収のドライビングフォースである毛細管力が大きいために、用紙は優れたインク吸収性を示します。また、インクの吸収はコート層(インク吸収層ともいう)が十分に厚い場合に、コート層内で完結し、滲みのない高画質な画像が得られます。

普通紙とコート紙

インクジェット記録に用いられる紙は、コート層を設けた専用紙以外にも、PPC用紙に代表される普通紙タイプのインクジェット用紙もあります。普通紙には、インクジェット適性を持たせた普通紙とインクジェット適性を考慮していない普通紙が存在しています。

印字品質は当然ながらインクジェット適性のある普通紙には敵いません。インクジェット適性をもった普通紙は、高画質フルカラーの印字には適さないものの、カラー画線の印字には優れています。

多孔性微粒子コート層を設けたインクジェット用紙が主流になると考えられる要因として、

  1. 画質がよい
  2. 速乾性である
  3. 耐水性がある

の3点を挙げることが出来ます。三菱製紙はすべてのタイプの光沢紙を商品として揃えています。

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