13 私たちはこの問題を真摯に受け止め、二度とこのような問題を起こさないため、以下の抜本的な改革を断行しました。 まず、工場内で独立性が十分担保されていなかった品質保証部門を、本社直轄の「技術本部」の管理下に置き、製造を担う工場から完全に独立した立場で品質をチェックできる体制としました。また、品質監査・牽制体制を強化するため、「技術監査部」および「リスク統括部コンプライアンス統括室」を新設し、多角的な視点から品質保証体制やコンプライアンスの状況を監視可能な体制としました。 さらに、形だけの改革に終わらせないため、私を含商品を拡大、生産性向上を加速(深化)2.地球環境への貢献を“SHINKA”(進化)3.ガバナンス・人的資本経営の“SHINKA”(浸化) 2027年度の経営目標値として、売上高2,500億円、営業利益200億円、営業利益率8%を目指します。め、事業部、本社本部の管掌役員が積極的に従業員との昼食会を開いたり、工場、事業所、子会社を巡回したりして、一方通行の説明会ではなく、双方向の対話を進めました。不正行為に対する認識の甘さを是正し、「安全最優先」「法令等遵守」の精神を再徹底します。従業員のローテーションも積極化し、特定部署への固定化を防ぐことで、変化を生み悪しき慣例化を断絶するとともに風通しの良い組織文化を醸成していきます。これらの取り組みは一時的なものではなく、継続することで信頼という最も重要な資産を再構築していく覚悟です。2,500億円の内訳として、機能商品事業が1,500億円、紙素材事業が1,000億円という大胆な目標を掲げています。これは、現状の課題を直視しつつも、当社の潜在能力を最大限に引き出そうとする強い意志の表れです。また、D/Eレシオは0.7倍、ROEは10%を目標といたします。さらに中長期アスピレーションとして、売上高3,000億円、営業利益率10%、ROE10%以上、ROIC11%を目指します。 また、この3年間で、営業キャッシュフロー約370億円を活用し、約320億円を経営投資に、約50億円を株主還元に回す計画です。特に、着手ベースで約330億円を積極的な戦略投資に振り向け、環境配慮商品拡大、機能商品拡大、研究開発投資、カーボンニュートラルへの取り組み、そして人的資本強化やDX・省力化に投資していきます。これは、収益成長と持続可能な未来へのコミットメントを両立させるための、当社の覚悟の表れです。中期経営計画「“SHINKA”する130年 企業へ」の概要と挑戦 私たちの中期経営計画は、全従業員が自ら考え、議論し、作り上げた、現場からの熱意とアイデアが詰まったボトムアップ型の計画です。経営陣主導ではなく、現場の声を吸い上げ、課題を共有し、解決策をともに導き出すというプロセスを経て策定されました。この計画は、当社が中期経営計画終了時に迎える創立130周年を超え、その後も進化・発展し続けるという強い思いを込めて策定されました。 この計画では、以下の3つの基本方針に基づき、中長期アスピレーションに向けた成長路線へと舵を切ります。1. 技術・研究の“SHINKA”で特色ある機能・環境配慮今後の経営戦略
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