三菱製紙 統合報告書2025
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●印刷用紙(塗工・微塗工・非塗工・特殊) ●家庭紙(ティッシュ・トイレットペーパー類) ●包装用紙(晒/未晒クラフト紙・バリア紙) ●板紙(白板紙) ●特殊用紙(写真原紙・産業用紙) ●パルプ(晒クラフトパルプ・非木材パルプ)取締役 常務執行役員 紙素材事業部長高上 裕二40技術、研究の“SHINKA”(深化)主な取扱商品・分野携強化によって大幅に短縮され、市場の変化に迅速に対応できる競争力を獲得しています。この生産・販売・開発が一体となりスピード感をもって市場に応えられる総合力が当社の大きな強みです。中期経営計画経営目標組織改革がもたらした総合力 この成功は組織改革の成果でもあり、昨年実施した販売会社の統合によって営業現場ではノウハウの共有が進み、顧客の多様なニーズを的確に捉える提案型の営業スタイルへの改革が進んでいます。また、生産・販売・開発が三位一体となった組織運営により、顧客からの要望を迅速に製品開発に反映させる体制が構築されています。以前に比べ開発サイクルが、部門間の連“SHINKA”への事業展望と課題“SHINKA”への事業展望と課題厳しい市場環境を乗り越え、確かな成長へ 2024年度は、印刷用紙の需要減少という厳しい市場環境に直面しながらも、事業構造改革を断行し、営業利益は13億円(計画比130%)という確かな成果を残すことができました。これは高付加価値製品へのシフト、様々なコストダウンと製品価格改定により達成できたものです。国内市場では、高品質な印刷用紙や包装材料への転換を進める一方、海外では富裕層向けのショッピングバッグやパッケージなど、高級ブランド向けに当社のクラフト紙を積極的に提案しています。「メイドインジャパンのいい紙で商品を包む」というコンセプトが、ベトナムやマレーシアといった成長著しい国の顧客に高く評価され、利益の確保につながっています。「紙」の可能性を広げ、持続可能な未来へ 今後の紙素材事業は、さらなる成長を目指して、いくつかの方向性で取り組みを進めていきます。気候変動社会への対応として、脱プラスチックに対応した技術革新を進めています。リサイクル率の高い紙素材の強みを活かし、バリコート®で得た加工技術を用い更に高バリア性のあるプラスチック代替品の開発を進めています。また、アジア市場での高品質路線を強化し、高品質な紙を高級ブランド向けに提案してまいります。さらに、岩手県産木材を利用した国内材100%パルプのブランドと強みを活かし、原料から製品まで国内一貫生産の安心感を訴求し将来的には紙以外の分野へのパルプ応用も視野に入れています。 紙は、植林を通じて適切に森を管理し、CO₂を固定化するサステナブルな素材です。私たちは、単に製品を提供するだけでなく、循環型の産業として、持続可能な社会の実現に貢献していきます。環境配慮商品拡販と生産性向上で“SHINKA”する紙素材事業営業利益 2024年度13億円2027年度50億円紙素材事業紙が持つ付加価値と海外展開で成長を目指す紙素材事業

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