三菱製紙 統合報告書2025
42/96

執行役員研究開発本部長相澤 和佳奈42技術、研究の“SHINKA”(深化)中期経営計画目標中期経営計画における研究開発の重要性 研究開発本部では、「技術・研究の“SHINKA”で三菱製紙の企業価値を高める」を掲げ、前中期経営計画から90億円増となる110億円の研究開発投資と人員増を計画しています。この投資は、研究開発費や研究開発部門への投資、そして研究開発の成果としての工場への投資を含むものです。私たちは、この「SHINKA」を通じて、三菱製紙の未来を創造することを目指しています。3つの「SHINKA」戦略 まず「深化」では、不織布や紙製品といった当社のコア技術を強化し、品質向上を図ります。これは中期経営計画の最重要テーマであり、初年度は研究開発リソースの7~8割をこの分野に集中させます。次の「進化」では、コア技術を発展させ、インクジェット用紙や感熱紙、不織布(水処理膜基材・蓄電デバイス用セパレータ)などの機能商品や、包装材など紙素材への高品質な商品を、グローバルに拡販するためにサポートをしていきます。最後の「新化」では、当社のコア技術と外部技術を融合させ、不織布の川下分野への参入など新市場への挑戦を進めます。この取り組みには、大学や研究機関との共同開発やコンソーシアムへの参加を増やし、研究開発のスピードアップを図ることも含まれています。イノベーションを生む組織と人財 イノベーション創出に向けて、私たちは組織と人財の変革を進めています。研究開発本部は、開発、企画、支援の3部門からなり、工場に研究開発部門を配置する体制をとっています。今後は拠点間の連携を強化し、研究拠点間や研究開発部門と事業部・工場との間でローテーションを実施していきます。人財面では、新卒やキャリア採用で多様な人財の確保につとめつつ、教育体制の充実にも注力します。特に若手人財の定着率向上のため、OJTに加えてeラーニングや外部セミナーも活用し、人財育成とネットワーク構築を支援します。オープンで挑戦する風土 研究開発部門では、「新しいアイディアが出しやすいオープンな風土」、「失敗を恐れず、挑戦ができる風土」、「難題に立ち向かうチーム力がある風土」という3つの風土を重視しています。オープンな環境を作るため、高砂の研究拠点では毎日席替えをするフリーアドレス制を導入し、偶発的な交流を促しています。また、研究開発部門、事業部、工場の三位一体の連携を密にし、一丸となって課題に取り組むことで、持続的な成長を実現していきます。技術・研究の“SHINKA”で三菱製紙の企業価値を高める研究員数 2024年度比1.5倍研究開発投資 2025~2027年度110億円(対前中期経営計画期間+90億)“SHINKA”への事業展望と課題“SHINKA”への事業展望と課題研究開発3つの“SHINKA”戦略と人財育成で未来を拓く研究開発

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る