三菱製紙 統合報告書2025
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68ガバナンス・人的資本経営を“SHINKA”(浸化)/ガバナンス社外取締役座談会渡邉 2022年に木坂社長が就任されてから、当社では、社長のリーダーシップのもと、構造改革が進められていました。具体例として、グループ企業の統合や不採算事業からの撤退といったことが挙げられます。この数年間の構造改革により、会社として基礎体力がしっかりとつき、三菱製紙創立130周年に向け大きく飛躍する準備が整ってきたと認識しています。また、当社の取締役会は、非常に多様性のあるメンバーが集まっています。社長と副社長も社外から招聘された方々であり、社外の意見を積極的に取り入れる姿勢が強く、取締役会は常に活気のある議論の場となっています。2年前に私が取締役に就任した当初から、その活気ある雰囲気は感じていました。昨年、半導体業界で活躍されてきた灘原さんが加わり、議論に一層の深みと新たな視点がもたらされたと感じています。灘原 私は昨年度から社外取締役を務めさせていただいているのですが、木坂社長のリーダーシップのもと「選択と集中」が進んだ結果、これまでとは違う大きな変化を感じています。特に、前向きな投資へと大きく舵を切ったという点が印象的です。これまでは「壊れたから修理しましょう」といった補修中心の投資が多かったのですが、今は「未来に向けた投資をしよう」というところに、意識が大きく変わってきたと感じます。この意識変革こそが、当社の新たな成長に向けた最も重要な一歩であり、中期経営計画に向けて、まさにその変化がつながっていくものだと思いますし、そこに大きな期待を持っています。 この1年間は正直に言って、紙パルプ業界を勉強させてもらった1年でした。半導体産業に40年ほど携わってきた私から見ると、紙パルプ業界はかなり保守的な業界だと感じました。半導体業界は、2年ごとに半導体回路の集積度を2倍にするというムーアの法則に基づき、急速なイノベーションが常に求められ、少しでも足踏みをしてしまうと、あっという間に取り残されてしまう厳しい世界です。三菱製紙は今、機能性材料で新たな事業を拡張していくと掲げています。この方針には大いに期待していますし、私の経験が開発や営業、製造の手法といった面で貢献できればと考えています。機能性材料事業では、これまでとは異なる市場、異なる顧客と向き合うことになります。そこでは、半導体業界で培った顧客密着型の開発スタイルや、スピード感のある事業展開のノウハウが活かせると信じています。渡邉 当社の取締役会は、メンバーには多様性があり、非常に活発な議論が交わされています。特に、灘原さんのような半導体というスピードの早い業界で戦ってこられた方のご意見を伺っていると、「当社ももっと成長できる」という意識が生まれます。2025年4月か社外取締役社外取締役社外取締役2024年度の振り返りと経営の変化持続的な成長に向けた変革を推し進める当社は、企業価値の向上とサステナブル社会への貢献を 両立させるべく、ガバナンス体制の一層の強化に邁進いたします。本座談会では、異なる専門性を 持つ社外取締役が、これまでの歩みと今後の展望について語ります。渡邉 敦子 × 灘原 壮一 × 朱 純美0101Discussion変革期を乗り越え、未来を創造する

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