三菱製紙 統合報告書2025
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72ガバナンス・人的資本経営を“SHINKA”(浸化)/ガバナンス社外監査役座談会した。執行による3年間の総括と、中期経営計画に関する新しいビジョンや議論の様子、およびどのような意思決定プロセスで最終化に至ったか、注意深く観察する機会を得ました。一連の流れを同期し客観的に見守ることができたのは、常勤としての強みでもあり、大変貴重な経験となりました。そして、もう一つの大きなテーマは、昨年に発覚した品質検査不正問題です。監査役会としても、ステークホルダーへの対応や、社内での反省と再発防止の取り組み、また特別調査委員会の調査進捗、指摘事項について、一年を通して注視してきた年でした。滝沢 監査テーマはその時々の状況に合わせて決めています。昨年度は不適切事案への対応のほか、安全管理や災害対策、ガバナンス、コンプライアンスといったテーマも普遍的なものとして監査の対象としました。その上で、年度ごとの課題を踏まえて新しいテーマを選定しています。 監査役監査は、財務監査だけでなく、経営陣の業務執行が適切に行われているか、 非財務分野も含めて見ています。私は監査のスコープを「適法性」に限定することなく、「妥当性」にも視野を拡げて考えています。もともとこの二つは地続きの関係にあると思っており、率直に様々な問題提起や 質問を行っています。大塚 監査役の監査は、企業グループ全体が適切に統治されているか(ガバナンス)を監督する役目です。その目的で、取締役会の業務執行全体を監督し社外監査役常勤監査役 社外監査役社外監査役2024年度の監査活動振り返り―経営変革の渦中における監査テーマとは滝沢 私は監査役として昨年度は4年目となりました。昨年度の活動を振り返りますと、非常に精力的に工場や子会社に足を運んだと感じます。やはり現場に行き、そこで働く方々から直接お話を聞くことは非常に貴重です。勿論、課題はたくさんありますが、私はそれを今後の伸びしろだと捉えています。現場の方々にも、「何でも話してください。課題を改善すれば、会社はもっと良くなりますから」と話しながらフランクに接するよう心掛けています。 監査役会は、常勤2名・非常勤2名の計4名体制で、それぞれが異なるバックグラウンドを持っているのが強みです。その中で有機的な議論ができ、互いに良い気づきを得られました。昨年度の重点テーマは、やはり不適切事案がありましたので、その原因分析と再発防止策といった守りの部分に重心を置きました。一方で、中期経営計画の策定プロセスも注視し、未来志向の議論がなされているかを確認しました。また、昨年度は子会社にも監査のスコープを広げた点がこれまでと違うところです。今後もさらに広げていきたいと考えています。大塚 就任1年目は、会社の全体像把握に努め、2年目である昨年は、気になる分野に深く踏み込む監査を行いました。また、昨年はちょうど前中期経営計画の最終年度、そして中期経営計画の策定時期にあたりま創業130年を見据え、当社の持続的成長を見守る監査役会。その改革を支える強固なガバナンス体制の構築について、社外監査役が語ります。滝沢 聡 × 大塚 伸子 × 住吉 敏幸0202Discussion“SHINKA”する三菱製紙に向けその変革を監査する

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