インクジェット用紙の基礎知識用紙の種類

インク吸収の原理

高分子系は高分子化合物皮膜の膨潤作用によって、インクを吸収します。ちょうど、紙おむつの原理と同じです。多孔性微粒子系は無機微粒子皮膜の隙間にインクが吸収されます。ちょうど、シリカゲル乾燥剤の原理と同じです。

    インク吸収の様子
  1. 図左は、多孔性微粒子系コート層および高分子系コート層にインクがまさに付着しようとしている状態です。ここでは両者に違いはありません。
  2. 図中央は、メディア表面にインクが付着した時の状態です。インクを吸収する作用において、両者は全く異なっています。多孔性微粒子系が粒子間の隙間にインクが吸収し浸透していくのに対し、高分子系はインクの溶媒によって高分子が膨潤し、インクを取り込んでいきます。
  3. 図右は、印字終了後の表面状態を示しています。多孔性微粒子系では粒子の空隙にインクが吸収、浸透するために、表面がインクで濡れた状態にはなりません。一方、高分子系ではインクの溶媒が高分子間に取り込まれて膨潤しており、なかなか乾燥しません。

従って、表面がインクで濡れた状態となります。高分子系では、極端な場合数十分も乾燥時間を必要とすることがあります。

高分子系と多孔性微粒子系の判別

市販のインクジェットメディアでは、コート層が高分子系であるまたは多孔性微粒子系であるかを区別して販売をしていません。また、外観では両者を区別することは出来ません。

商品のパッケージに"微粒子技術"、"ミクロ技術"また"速乾性"などと記載している場合は、概ね多孔性微粒子系コート紙タイプと考えられます。一方、印字面側に水滴を落とし、皮膜がベトベトしてくる場合は高分子系コート紙と考えられます。

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