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企業概要

コーポレート・ガバナンス

 三菱製紙グループは、「世界市場でお客様の信頼に応える」「常に技術の先端を行く」「地球環境保全、循環型社会に貢献する」を企業理念として企業活動を行っています。この理念のもと、当社グループと社会の持続的な成長(サステナビリティ)を重視した企業グループ経営を推進し、経営の透明性を高めコーポレートガバナンスの充実に取り組みます。
 ガバナンス強化の一環として、2025年5月に特別調査委員会の最終報告書を公表した品質不適切事案も踏まえ、品質保証部門を工場から独立させ、2026年4月には「品質保証部」を本社技術本部に設置しました。また、上記の「経営理念」のもと、リスクや不祥事を避けるための土台「企業行動憲章(揺るぎない規範)」に加え、経営理念や企業行動憲章を実現するために、全役職員が日々実践すべき攻めの行動基準・スタイルとして、2026年5月に「クレド」を制定しました。

コーポレート・ガバナンス体制

 当社は、会社の機関設計として監査役会設置会社を選択しています。独立社外取締役を複数選任し、取締役会に求められる役割を十分に果たせる体制を構築しています。監督機能と執行機能を区分し、執行役員制を採用することにより、取締役会のスリム化と経営の意思決定のスピードアップ、業務執行の責任の明確化を図っています。経営陣の指名と報酬について、客観性と透明性を確保する観点から、取締役会の諮問機関として独立社外取締役を委員長とし、過半数を独立社外取締役で構成する指名報酬委員会を設置しています。毎月の定例取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、法令・定款で定められた事項や重要な業務執行の決定並びに監督を行っています。社外監査役を含む監査役で監査役会を設置し、定期的または必要に応じて監査役会を開催しています。経営方針・経営戦略および基本的な事業戦略について、原則として週1回、執行役員ほかの経営幹部による経営会議を開催し、迅速かつ最適な意思決定、グループガバナンスの徹底、重要情報の共有を行っています。
 業務執行面では、事業部制を採り、各事業部に収益責任と権限を持たせ、業務執行体制の強化を図っています。業務分掌規定により組織の責任範囲を常に明確化し、諸決裁については取締役会規則・同細則ほか、当社諸規則に基づき適正に運用しています。(2026年6月30日現在)

コーポレート・ガバナンス体制

取締役会の実効性評価

 当社取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価のため、取締役および監査役にアンケートおよびインタビューを実施し、その結果に基づいて取締役会において議論を行いました。その現状の認識を共有するとともに、課題の抽出と取締役会の機能発揮に資する取り組みを通じて、継続的に取締役会の実効性の向上を図ってまいります。

1.評価方法

評価プロセス評価項目

2.評価

(1) 2025年度 評価全般
 「取締役会の構成」、「取締役会の運営」、「取締役会の機能」それぞれの観点から評価を実施した結果、当社取締役会は、⾃らに期待される役割および機能が適切に果たせており、また前年度評価で抽出された課題についても⼀定の改善が図られていることから、実効性は確保されていると評価できる。

① 取締役会の構成

 現状の当社規模においては、取締役会の機能を果たす上で、員数および社内・社外役員の構成⽐率は適切と考えられ、各構成員は概ね⼗分なスキルを有している。また、多様性の観点においては、女性社外取締役が1名から2名に増え、女性社外監査役も合わせて3名体制(女性比率は25.0%)となっている。異業種出身の社外役員も多く、様々な分野における知見が確保され、多角的な議論が可能な体制が担保されている。今後は、社内の幹部教育制度の充実等により、⼥性を含め多様性に富む内部役員の育成に取り組んでいく。

② 取締役会の運営

 開催頻度、議事運営、決議事項のトレースは概ね適切に実施されている。特に社外役員経営説明会により、社外役員への情報共有体制が有効に機能し、取締役会における議論活性化と審議の質の向上および迅速な意思決定に寄与していると評価できる。議題については、例えば2025年11月に公表した当社システムへの不正アクセスによる情報漏えいに関する対応や再発防止への取り組み等についても議論を重ねたほか、社外役員からの要請や重要性を踏まえ、審議事項以外の必要事項についても報告事項として適宜報告されている。また、議長による自由に発言できる雰囲気づくりや、オフサイトでの現場視察による事業理解の促進は、社外役員からも評価されている。今後は、特定のテーマに関して、より深い戦略の議論に繋がるよう、社外役員への情報提供を更に充実させていく。

③ 取締役会の機能

 前年度に引き続き、執行側の業務執行状況に対する監督、取締役の相互監視、報酬に関するガバナンス、ステークホルダー視点での企業価値向上に対する議論の活発化等に関し、取締役会は概ね適切に機能している。資本コストや株価を意識した事業ポートフォリオ運営と経営資源配分等の中長期的な経営戦略に関する議論は、重要性が益々高まっており一層の充実が必要との認識が示された。「資本コストや株価を意識した経営」については、退職給付信託内の株式を含む政策保有株式売却の具体的な目線や時期が明示されたが、中期経営計画の進捗をモニタリングしつつ、投資家の視点を踏まえた適切な開示が更に求められる。また、人財に関してはサステナビリティとの関連性を明確にして、総合的に経営戦略とリンクさせた全体像に基づいて議論を行っていく必要がある。

④ ステークホルダーエンゲージメント

 株主との個別面談等のSR・IR活動、また経営陣の現場訪問による従業員との対話の継続、グループ全体でのクレド策定プロジェクトを通じたグループ内コミュニケーションの活性化は、ステークホルダーエンゲージメントとして大きな進展が見られ評価できる。しかし、プライム上場企業として、リリースした情報に対する株主や投資家の反応を分析し、次の活動に活かす等、更に工夫の余地があり、取締役会で議論を深化させる必要がある。

(2)前年度の実効性評価で抽出された課題の改善状況

①経営戦略にリンクした総合的な人財戦略に関する議論の深化

 人財に関する課題自体は役員間で共通認識とはなっているが、中長期的な人的資本投資の観点から、経営戦略にリンクした人財戦略の全体像を踏まえて、実行プランを更に充実させる必要がある。

②中期経営計画に関する実行状況の確認

 進捗管理の過程で生じた課題の解決に対する継続的な取り組みには一定の評価ができる。一方、そうした取り組みについては、ステークホルダーに対する説明責任というガバナンスの観点からも、計画達成に向けた施策の進捗を検証し改善策を推進していく必要がある。

③子会社に関する情報共有と監督の強化

 国内外の子会社に対する情報共有や監督の強化は前年から更に改善が見られている。今後は、組織・推進体制の役割分担を明確化して、グループ全体へより一層の情報共有とガバナンス体制の浸透が必要である。

④品質保証に関する体制と運用の監視

 品質保証機能を現場から本社へ移管し、全社的な体制が早急に整備されたことは評価できる。組織やモニタリング、内部通報などの仕組みが整備され、牽制機能が有効になり始めているが、更なる運用面の浸透や意識改革を促すため、継続的な取り組みが必要である。

3.抽出課題および取り組み

上記の評価結果を踏まえ、企業価値向上と取締役会の更なる機能発揮に向けた以下課題を抽出し、取り組みを進めていく。

① 経営戦略にリンクした総合的な⼈財戦略に関する議論の深化(継続)
② 中期経営計画の達成に向けた施策遂行状況のモニタリング強化と戦略的議論の活性化
③ サイバーリスクに対するグループ全体での管理体制のさらなる高度化と運用の監視

サステナビリティへの取り組み

私たちの考えるサステナビリティ

 三菱製紙グループは、企業が社会の一員として存続するためには、利益を確保することだけでなく、様々なステークホルダーの皆様に対して社会的な責任を果たすことが必要と考えています。サステナビリティの目的は皆様からの信頼と共感を得ることを通して企業価値を上げることにあり、社会の要請に応えるため、サステナビリティを事業活動の中で取り組むべき重要な経営課題であると認識しています。そのため、サステナビリティ基本方針を定めています。

  1. バイオマス資源の活用と先端技術の創出により、持続的に成長できる事業モデルを構築します。
  2. 森林の持続可能な管理に努めるなど、かけがえのない地球環境を維持し、循環型社会の構築に貢献します。
  3. 世界市場に向けて、持続可能な社会に貢献する製品・サービスを提供します。
サステナビリティ相関図

サステナビリティ推進体制

 サステナビリティを重視した企業グループ経営の推進のため、担当役員を任命するとともに社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設け、三菱製紙グループのサステナビリティ推進活動(コンプライアンス、リスクマネジメント、人財マネジメント、安全・衛生、環境、製品安全、製品品質、人権・労働、情報開示・広報、社会貢献、気候変動など)を組織横断的に統括しています。

ステナビリティ推進体制図

コンプライアンス

 社会から信頼をいただき、それに応えていく企業であり続けるために、コンプライアンスを重視した企業風土を醸成し、役職員の意識の向上に努めています。

三菱製紙グループ企業行動憲章

 当社グループの諸活動についての基本となる考え方を『三菱製紙グループ企業行動憲章』 として定め掲げています。これは当社グループのすべての役職員に適用されるもので、日々の活動において拠るべき指針としています。
 当社グループは、本憲章のもと、コンプライアンスおよび安全重視の姿勢を徹底するとともに、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みをより一層推進し、社会からの信頼に応えてまいります。

コンプライアンスに関する研修

 当社グループでは、国内グループ全従業員を対象とするコンプライアンス研修を毎年実施しています。社内のコンプライアンス遵守徹底を目指し、動画やメールマガジンなど多数のコンテンツを計画的・定期的に発信しています。

内部通報システム 『ホットライン』

 当社グループは、社内・社外のホットラインを設置し、当社国内グループで働く全ての役員および従業員(パートタイマー、派遣社員等並びに1年以内の退職者を含む)が利用できるようにしています。ホットラインへの通報は、当社コンプライアンス統括室または社外弁護士に直接通報できる制度としており、秘密厳守の上、経営トップへ伝達されるようにしています。また、通報状況は定期的に開催されるコンプライアンス委員会において確認を行い、取締役会に報告しています。

リスク管理

 サステナビリティを推進し企業価値を維持向上させていくためには、企業が活動していく上で生じる様々なリスクを的確に把握し管理していくことが重要です。当社グループでは、サステナビリティ推進体制のもとでリスク統括部が所管するリスクマネジメント委員会がグループ全体のリスクマネジメントを統括し、本社各部署や各委員会、各事業場では、関連リスクに対応するための諸規則・マニュアルの整備、事前予防体制の構築と訓練、問題発生時の再発防止策の策定など、様々なリスク管理強化策に取り組んでいます。

リスク管理体制

リスクマネジメント

① リスクマネジメント基本規程

 当社グループでは、2025年7月に制定した『三菱製紙グループ リスクマネジメント基本規程』に従ってリスクを特定し、対応策をリスク管理表として取り纏め、リスクマネジメント委員会での審議を経た上で実行に移しています。同委員会における定期的な進捗の確認、結果のレビューにより全社的なリスクマネジメントの実効性向上を図っています。

② 危機管理体制の構築

 従来の『三菱製紙グループ 危機管理対応マニュアル』を、新たに策定した『三菱製紙グループ リスクマネジメント基本規程』に包含し、より迅速な対応が可能な体制としました。
 また、各事業場や全社規模で様々な訓練や運用テストを実施し、課題を抽出して改善に努めています。安否確認システムを用いた訓練を各事業場・国内グループ関連会社でも実施し、当社グループ全体での危機管理体制を構築しています。

③ 情報管理の強化

 事業活動において取り扱う情報の管理と保全に関する措置を『情報管理規定』に定めるとともに、この規定を運用する上での指針となる『情報取扱に係るガイドライン』を策定し、情報の効率的・統合的な運用と適正な管理を図っています。

④ 「事業継続計画」(BCP)の構築

 当社グループは、阪神淡路大震災、東日本大震災の甚大な被害から復興してきた経験があり、緊急時の対応力の重要性を認識しています。『リスクマネジメント基本規程』に添ってBCPを構築しており、2025年12月8日に発生した青森県東方沖を震源とする地震の際にも早期復旧に向けて対応しました。
 BCPの一環として本社機能の一部(主に企画・管理部門)の京都への移転を2026年4月に実施しました。また、製造業として重要な、リスク顕在化時の工場での生産継続のため、サプライチェーンへの影響把握・複数購買等、実効性のある事業継続計画の構築を進めています。

情報開示・広報

 当社グループは、『三菱製紙グループ企業行動憲章』に企業活動の透明性を掲げ、それに基づいて『情報開示方針』を制定・公開し、適切な会社情報をタイムリーに開示することを宣言しています。ステークホルダーの皆さまに、正確・ 適時・公平かつ継続的に情報を開示するために『情報開示規定』を制定し、ガバナンス統括部広報・IR室が維持運営に当たるとともに、定期的に広報連絡会を開催し、当社グループの情報開示を管理しています。また、フェアディスクロージャーの観点から、決算説明会の資料なども開催と同時に公開しています。

情報開示体制

情報開示体制

コミュニケーション

IR 情報サイト

 当社ホームページにIR情報サイトを開設しています。業績ハイライト、IRカレンダー、IRライブラリー(決算経営報告資料、中期経営計画、決算短信、有価証券報告書、財務ヒストリカルデータ、決算公告)、株主総会関連資料、株式情報などをタイムリーに提供しています。